Summary
STed2をX68000ZのPseudo SCSI HDDにインストールして、 X68000 Zシリーズ用 UART to MIDIインターフェースユニットZ-MIDI for X68000 Z経由で外部のMIDI音源を鳴らす設定の紹介
なんだか出遅れたのですが、X68000Z PRODUCT EDITION BLACK MODELのスターターパックがなぜか定価より若干安くなっていたので、気の迷いで購入しました。 発売元のZUIKI直販サイトでの販売価格は¥29,535税込のところ、2024年6月1日にAmazonで¥24,587で販売されていました。(6月6日に届きましたが、今はもう売ってないようです。)
私はもともとは、PC-6601mk2, PC-8801mkIIFH, PC-9801RX, PC-98DO+とNECの業績に貢献し、その後はPC/AT互換機Linuxに移行してしまったため、X68000については友人がゲームをしたり作ったりしているところしか見たことがありませんでした。最近のミニチュアブームにおいてPasomMiniシリーズはかろうじてPC-8001mkIIが出ているのみで、PC-8801mkIIもこの夏発売のアナウンスが先日のベーマガのイベントで発表されたばかりというありさまで、当時使っていたRCM-PC98+拡張MIDIボードなどのハードなどは求むべくもないようです。 その点、X68000Zでは既にURAT端子接続でMIDI対応しRCM-PC98と同様にステップ入力のSTer2も使えるとの情報があったので、とりあえずスターターパックを購入してみました。
PRODUCT EDITIONには、超連射68kのSDメモリカードが付属していないのが残念です。(本家からxdfイメージダウンロードしてSDメモリに置けばよいだけなのですが、見た目がかっこいいので付けてほしかったです。)
本家X68000にも、MIDIボードを使ってMIDIを鳴らす方法と、RS232C端子経由でMIDI入出力する方法の2つの接続方法があったようです。 X68000ZではURAT端子にMIDI I/Oのためのデバイスを接続することで、MIDI信号を入出力できるようになります。 下記2種類が人気のようです。今回は、かおりんさんが製作販売されているZ-MIDI for X68000 Zを購入しました。
外部MIDI音源ですが、昔のゲームなどが対応していた音源ということで、SC-88ProとSC-55、E-MUの音源などを所有しているのですが、とりあえずSC-88Pro/SC-55などをつないで音出しします。
RCM PC-98というステップ入力型のシーケンサソフトがあり、PC-98使いだった私も持っていました。PC-98ではMIDIインターフェースボード(Roland MPU-PC98II)を拡張スロットに挿してMIDI I/Oを増設し、MIDIレコンポーザ RCM PC-98でコントロールしていましたが、X68000には、RCM PC-98に操作性が似ているSTed2というソフトがあったようです。
このソフトを使ってMIDI出力ができるようになることをめざします。
ぶっちゃけ必要なファイルをターゲットとなるフォルダにコピーするだけ。 1. Windows上で必要なファイルダウンロードしてフォルダに配置 2. Windows上で必要なファイルを含むx68000z FDファイルイメージを作成 3. X68000Z上でSDメモリに入れたFDイメージから必要なファイルをSCSI HDDにフォルダごとコピー 4. X68000Z上でSTed2を起動
先人たちの情報では、WindowsにX68000エミュレータなどを入れて、エミュレータとWindowsファイルシステムの間のやり取りをし、さらにそのファイルをSDメモリを介してX68000Zとやり取りするという感じで、ひと手間多いのが煩わしいと感じていました。 Windows上でFDイメージであるxdfファイルを作成し、ダイレクトにX68000Zに持っていく方法を検証しました。(後述しますが、Windows上で直接HDDイメージを編集するやりかただとうまくいきませんでした。)
【手順】
Windows上での操作
下記のファイルをサイトから入手する
ファイルをWindows上で展開してSTed2フォルダに入れる
LZHやLZMAファイルは7zipで解凍可能でした。
XM6にSted2をインストールする手順を参考にフォルダにファイルをコピーします。
コピー後は以下のようなフォルダ構成になっています。
C:\USERS\XXXX\DOCUMENTS\X68000Z\STED2\STED2
│ convert.doc
│ CtoR.x
│ DtoR.x
│ GtoR.x
│ ItoR.x
│ lzm.x
│ mms.x
│ QtoR.x
│ rc.doc
│ rcc.x
│ rcd.doc
│ rcd.x
│ rcdrs.bfd
│ rcdsb.bfd
│ rcp.x
│ rcp_sc88.bfd
│ sc88pro.def
│ sted2.def
│ STED2.X
│ StoR.x
│ UtoR.x
│ ver_up.doc
│
└─STED207
CM64.DEF
SC55.DEF
SC55MK2.DEF
SC88.DEF
STED2.CNF
STED2.DOC
STED2.FON
STED2.HIS
STED2.HLP
STED2.MAN
STED207.HED
STED2DEF.DOC
X68000Zで読み込み可能なxdfファイルを作成
X68000Zで読み込み可能なxdfイメージを入手
上記のsted2.xdfファイルをDiskExploreというWindows上で動作するアプリで読み込んで、FDイメージの中のファイルを全部消去
かわりに2.で用意したSTED2フォルダの中身をDiskExploreにドロップして書き込み、アプリを正常終了させる。(STED2フォルダのイメージはFDの容量ぎりぎりのようで、余裕がないのでコピー漏れに注意)
Windows上で作成したsted2img.xdfファイルをSDメモリカードのX68000Zフォルダ内にコピーして配置する
作ったsted2img.xdfファイルを置いておきます
【注記】Pseudo SCSI HDDのUSBメモリのほうを直接操作すればいいじゃないのと思ってDiskExploreで直接編集しようとしたが、うまくいかなかった。なぜ?
X68000Zのエミュレータ上での操作
Pseudo SCSI HDDのメモリスティックが挿入された状態でX68000Zを立ち上げ、エミュレータからHDD起動
SDメモリカードをSDスロット0に差し込むとローダ画面が表示されるので、sted2img.xdfを選択して接続
HDDがA:、SDメモリのFDイメージがB:ドライブになっているので、B:からA:にフォルダごとコピー
A>B:
B>copyall STED2 a:\
ここまででHDDへの必要ファイルのインストールが完了したので、X68000Zを正常リセットしてドライブへの変更を反映させる。
電源OFFの状態で、URAT端子にMIDIインターフェースを接続し、さらにMIDIケーブルでMIDI外部音源(ここではSC-55)に接続
Louncherの初期設定でMIDIがONになっていることを確認し、HDD0からエミュレータを起動。
作業ディレクトリをsted2フォルダに変更
A>cd STED2
MIDI入出力のためのドライバrcdをRS-MIDIシリアルモードで実行(UARTデバイスはシリアルなので指定しないと「MIDIデバイスがありません」と怒られます)
A>rcd -C
STed2を実行
A>sted2
EDIT&SETでTR1にステップ入力
下図はT1を選択してC4 D4 E4 F4 G4と入力したところ
これでSC-88ProのA01トラックから「ドレミファソ」と音が出ます。
めでたし!