X68000ZでSTed2を使ってUART接続されたMIDI音源を鳴らす(2024.6.9)

Summary

STed2をX68000ZのPseudo SCSI HDDにインストールして、 X68000 Zシリーズ用 UART to MIDIインターフェースユニットZ-MIDI for X68000 Z経由で外部のMIDI音源を鳴らす設定の紹介

1. 前置き

1.1 What is X68000Z?

なんだか出遅れたのですが、X68000Z PRODUCT EDITION BLACK MODELのスターターパックがなぜか定価より若干安くなっていたので、気の迷いで購入しました。 発売元のZUIKI直販サイトでの販売価格は¥29,535税込のところ、2024年6月1日にAmazonで¥24,587で販売されていました。(6月6日に届きましたが、今はもう売ってないようです。)

私はもともとは、PC-6601mk2, PC-8801mkIIFH, PC-9801RX, PC-98DO+とNECの業績に貢献し、その後はPC/AT互換機Linuxに移行してしまったため、X68000については友人がゲームをしたり作ったりしているところしか見たことがありませんでした。最近のミニチュアブームにおいてPasomMiniシリーズはかろうじてPC-8001mkIIが出ているのみで、PC-8801mkIIもこの夏発売のアナウンスが先日のベーマガのイベントで発表されたばかりというありさまで、当時使っていたRCM-PC98+拡張MIDIボードなどのハードなどは求むべくもないようです。 その点、X68000Zでは既にURAT端子接続でMIDI対応しRCM-PC98と同様にステップ入力のSTer2も使えるとの情報があったので、とりあえずスターターパックを購入してみました。

PRODUCT EDITIONには、超連射68kのSDメモリカードが付属していないのが残念です。(本家からxdfイメージダウンロードしてSDメモリに置けばよいだけなのですが、見た目がかっこいいので付けてほしかったです。)

1.2 MIDI interface and MIDI sound module

本家X68000にも、MIDIボードを使ってMIDIを鳴らす方法と、RS232C端子経由でMIDI入出力する方法の2つの接続方法があったようです。 X68000ZではURAT端子にMIDI I/Oのためのデバイスを接続することで、MIDI信号を入出力できるようになります。 下記2種類が人気のようです。今回は、かおりんさんが製作販売されているZ-MIDI for X68000 Zを購入しました。

外部MIDI音源ですが、昔のゲームなどが対応していた音源ということで、SC-88ProとSC-55、E-MUの音源などを所有しているのですが、とりあえずSC-88Pro/SC-55などをつないで音出しします。

X68000Z + Z-MIDI

SC-88Pro

1.3 STed2って何?

RCM PC-98というステップ入力型のシーケンサソフトがあり、PC-98使いだった私も持っていました。PC-98ではMIDIインターフェースボード(Roland MPU-PC98II)を拡張スロットに挿してMIDI I/Oを増設し、MIDIレコンポーザ RCM PC-98でコントロールしていましたが、X68000には、RCM PC-98に操作性が似ているSTed2というソフトがあったようです。

このソフトを使ってMIDI出力ができるようになることをめざします。

2. STed2をX68000ZのPseudo SCSI HDDにインストールする

2.1 概要

ぶっちゃけ必要なファイルをターゲットとなるフォルダにコピーするだけ。 1. Windows上で必要なファイルダウンロードしてフォルダに配置 2. Windows上で必要なファイルを含むx68000z FDファイルイメージを作成 3. X68000Z上でSDメモリに入れたFDイメージから必要なファイルをSCSI HDDにフォルダごとコピー 4. X68000Z上でSTed2を起動

先人たちの情報では、WindowsにX68000エミュレータなどを入れて、エミュレータとWindowsファイルシステムの間のやり取りをし、さらにそのファイルをSDメモリを介してX68000Zとやり取りするという感じで、ひと手間多いのが煩わしいと感じていました。 Windows上でFDイメージであるxdfファイルを作成し、ダイレクトにX68000Zに持っていく方法を検証しました。(後述しますが、Windows上で直接HDDイメージを編集するやりかただとうまくいきませんでした。)

2.2 必要なファイルの入手しWindows上でFDイメージに変換

【手順】

Windows上での操作

  1. 下記のファイルをサイトから入手する

  2. ファイルをWindows上で展開してSTed2フォルダに入れる

  3. X68000Zで読み込み可能なxdfファイルを作成

2.3 X68000Z上でSCSI HDDにコピー

X68000Zのエミュレータ上での操作

  1. Pseudo SCSI HDDのメモリスティックが挿入された状態でX68000Zを立ち上げ、エミュレータからHDD起動

  2. SDメモリカードをSDスロット0に差し込むとローダ画面が表示されるので、sted2img.xdfを選択して接続

  3. HDDがA:、SDメモリのFDイメージがB:ドライブになっているので、B:からA:にフォルダごとコピー

    A>B:
    B>copyall STED2 a:\

    ここまででHDDへの必要ファイルのインストールが完了したので、X68000Zを正常リセットしてドライブへの変更を反映させる。

3. MIDI音源の接続とSTed2の実行

  1. 電源OFFの状態で、URAT端子にMIDIインターフェースを接続し、さらにMIDIケーブルでMIDI外部音源(ここではSC-55)に接続

  2. Louncherの初期設定でMIDIがONになっていることを確認し、HDD0からエミュレータを起動。

  3. 作業ディレクトリをsted2フォルダに変更

    A>cd STED2
  4. MIDI入出力のためのドライバrcdをRS-MIDIシリアルモードで実行(UARTデバイスはシリアルなので指定しないと「MIDIデバイスがありません」と怒られます)

    A>rcd -C

    rcd -C

  5. STed2を実行

    A>sted2

    sted2

  6. EDIT&SETでTR1にステップ入力

    下図はT1を選択してC4 D4 E4 F4 G4と入力したところ

    sted2

    これでSC-88ProのA01トラックから「ドレミファソ」と音が出ます。

    めでたし!

参考にしたリンク

Back to Index